今週の松竹梅第577号「40年間毎月1万円を米国株に積立運用していたら」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】
配信日:2024年7月16日
国際情勢が日々混沌としてますが、株式市場や金、ビットコイン、不動産など投資商品は軒並み年初から上昇しているようです。 3連休を利用して、米国株に毎月1万円積み立てたらどうなっていたか? 検証してみました! 興味ある方は、私の研究成果(?)をご堪能ください。
【今週の松】 「40年間S&P500指数を毎月1万円購入」
この種の試算は前提が非常に重要です。設定としては、米国株式の代表的指数S&P500の月末終値を、1984年7月末から毎月1万円購入したら先週末の資産総額がいくらになるかです。40年間ですから元金は480万円ですね。
40年前の大卒初任給平均は13万5800円とのことですから、毎月1万円の積立投資は負担ですが、できなくもない金額です。
なお、試算ではS&P500指数に米ドルレートも掛けてます。
スタートの1984年7月末のS&P500終値は150.7、米ドルは245円30銭でした。
現実の投資では、配当収入もありますが、逆に運用手数料もあるため、両方とも試算では無視しました。
【今週の竹】 「40年間で4167万円に!」
さて、サクッと結果ですが、40年前に1万円を毎月積立投資していれば、先月末で4167万円になってました。再度繰り返しますが、元金は480万円ですよ。当然のツッコミとしては,たまたま相場が新高値のときに試算したからでは?との意見もあるはずです。しかし、米ドルについては、スタートが245円ですし、2011年には76円台もありました。もちろん、私は実行していませんし、40年間の同額投資を実行した方を聞いたことがありません。40年間振り返れば、暴落も何度もありましたね。積立投資を長期間続けることは、意外と難問です。投資に関心があり学習している人ほど、途中で増減額や解約してしまいそうです。
【今週の梅】 「では日本株ならどうだったか?」
ここまで理解できた方は、もちろん疑問がありますね。 「為替がからむものは怖いから、日本株の方が安心して運用できるのでは?」 はい、日経平均でも試算してみました。 40年間毎月1万円を日経平均に投資すると、結果は・・・ 1198万円と、非常に微妙な、米株の4167万円と較べると、やや残念な結果でした。
【松ちゃんの独り言】 「日本に居住して海外投資が最強?」
私はこの欄で、たびたび日本の国力が落ちた話題を取り上げてます。
しかし、見方を変えると、これほど家賃が安く、金利が安く、物価が比較的安定した国は他にありません。であれば、日本にいたままで、長期的な海外投資を続けることが相対的に豊かな資産を作る秘訣のように思います。
普通預金やタンス預金では、480万円は永久に480万円のままです。
その安心料は高すぎる気がします。
それでは、次回もよろしくお願いします。
【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版