死後2年後の税務調査で明らかになった相続の落とし穴—亡き夫の海外送金とプロベート(米国遺産認証手続き)の秘密とは(2)

相続税業務

死後2年後の税務調査で明らかになった相続の落とし穴—亡き夫の海外送金とプロベート(米国遺産認証手続き)の秘密とは(2)

海外送金が招いた思わぬ税務調査と相続放棄の選択――
「知らなかった」が命取りになる相続の落とし穴とは?

「たった120万円の海外送金」がよんだ税務調査。海外送金は少額でも税務署に把握されており、相続人が知らなかった場合でも調査対象になるリスクがあります。

相続税の申告が無事に終わった――はずのご家庭に、ある日突然届いた税務調査の通知。亡き夫の名義でアメリカへの海外送金が発覚し、相続人である妻は初耳の事実に動揺します。送金額は120万円。しかし、その情報はすでに税務署に把握されており、放置できる問題ではありませんでした。さらに浮上したのは「プロベート」という、米国の厄介な相続手続き。膨大な費用と手間を考慮し、妻は“海外資産を放棄する”という苦渋の決断を迫られます。本エピソードでは、相続人が知らないままの海外送金が、どのように税務調査や相続放棄へとつながるのかを描き、事前の財産管理やパスワード共有、専門家への相談がいかに重要かを伝えます。海外資産をめぐるトラブルを回避するために、あなたの相続対策にお役立てください。

  • 担当メンバー:今仲 梓(税理士)
今仲 梓(税理士)
【みんなで顧問】プロベートの費用・時間の負担が明かされ、妻は驚愕。税務調査を終えるために提示された「誓約書」には、米国口座資産を今後一切相続しないことが記載されている。サインを求められ、決断を迫られる。
【みんなで顧問】調査官は誓約書にサインすれば修正申告も不要と説明。家族はプロベートにかかる高額費用を前に放棄を選択。税理士は冷静にアドバイスし、調査終了へ。米国資産が「誰のものでもなくなる」決断が下される。
【みんなで顧問】母みづ江は、亡き夫の想いを息子に正直に伝える。生前、銀婚式後の世界一周旅行のために海外送金していたと回想し、「それでいい」と受け入れる。相続人間での納得が形成されていく様子が描かれる。