今週の松竹梅第630号「ビットコインは税制改正近い?」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年8月3日
こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第630号を配信します。 年初にビットコインについて3回取り上げました。 どうやらビットコインの取り扱いを「金融商品」とする税制改正へのスケジュールが進んでいるようです。順調なら2027年申告は株や為替、不動産などと同じような扱いになりそうです。 なお、記事をわかりやすくするため、「ビットコイン」としてますが、「仮想通貨」や「暗号資産」でも同じ意味として理解してください。
【今週の松】 【今週の松】「ビットコインの値動き推移」
ビットコインに値がついたのは2009年からで、1円以下でのスタートでした。
その後、初の10万円台を付けたのが2013年、初の100万円台が2017年、1000万円台が2024年、現時点は1700万円前後です。
もちろん、順調に上昇してきたのではなく、暴騰暴落の繰り返しでしたので、一度も換金することなく買い増ししてきた方は皆無かと。
ビットコインの価値は、決済機能と価値保存機能にあります。
たまに聞きますが、銀行で海外送金しようとして、長時間待たされて不愉快な経験をした方が多いかと思います。ビットコインならメール感覚で一瞬で送金可能です。ウォレットアドレスがわかれば地球上のどこにでも誰にでも送金可能です。100円などの小口単位でも送金可能です。
もちろん投資積立も小口で可能で、購入も換金も24時間可能です。
【今週の竹】 【今週の竹】「ビットコイン税制の現状は2重課税」
ビットコイン課税の現状は、かなりきつい税制です。 現時点は「金融商品」ではないため、個人の売買損益は雑所得の総合課税です。 何年も持ち続けたホルダーは、最高税率55%になります。 だからこそ、ホルダーは「売るに売れず」結果的に幸いしたともいえますが。 また、相続税については、基本的には相続発生日の時価評価です。 しかも、3年以内の相続税の取得費加算特例もありません。 一方、「出国税」については、有価証券でないため対象外です。
【今週の梅】 【今週の梅】「金融商品としての扱いは近い?」
ビットコインだけで時価総額は300兆円を超えます。 日本国内では1%シェアくらいかと言われてますが、それでも3兆円です。 よって、制度環境整備の議論は急ピッチで進んでいます。このペースだと、2026年には金融商品としての取り扱いになりそうです。 具体的には、20%申告分離課税、損失繰越制度導入、ビットコインETFの認可など、他の金融商品と同様の取り扱いになったら、日本でも一気にビットコインの需要が増えるかもしれません。
【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「通貨価値は年々下落する?」
ビットコインだけでなく、株価も不動産も、金価格も金利も食料品も何もかも上昇しています。 ふと思うのですが、物価上昇じゃなくて通貨価値が下落しているのでは? 高齢者は、キャッシュレスやネット決済も苦手です。 普通預金で多額の預金残高をお持ちの方もいますが、年々目減りしていると考えるべきかもしれません。 普通預金が安心だ!と言っても、その安心料は思ったより高く付きそうです。 それでは、次回もよろしくお願いします!

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版