今週の松竹梅第618号「税務署内の人事異動と税務調査対応の関係」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年5月12日
こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第618号を配信します。 GWが明けました。確定申告シーズンが終わって6月末あたりまでは、法人税務調査は収束シーズンです。このサイクルを知っているかどうかは、調査が継続している法人にとっては、対応がまったく変わるかもしれません。 経営者は誰もが「早く調査が終わってほしい」と思っています。 しかし、多少粘った方が得策であることを今回秘伝?としてお伝えします。
【今週の松】 【今週の松】「税務署内の人事異動」
税務署の基本的な移動サイクルは3年です。しかもタイミングは決まっており、7月10日です。内示は6月に出ており、民間企業と同じく、5月〜6月ころは、人事異動で該当者は、「次はどこだろう?」と、そわそわするころです。
また、担当部門は原則毎年変わり、調査官の上司である統括官も毎年変わります。
つまり、税務署の法人調査チームは1年限りなのです。
【今週の竹】 【今週の竹】「調査官の人事考課」
何度かこのメルマガでも触れてますが、税務署の年度は7月~6月で、7月~12月が上期、1月~6月が下期です。調査チームは1年限りで、人事考課は3月にまとまり4月に決まります。 しかも、慣例上、確定申告シーズンは法人税務調査も一時休戦状態になります。 つまり、下期に着手した税務調査は、4月あたりまで結論が延び延びになりやすいです。
【今週の梅】 【今週の梅】「下期の調査は粘れば有利な展開に?」
と言うことは・・・勘の良い方はピンとくるのではないでしょうか。 よほどの案件でなければ、年度をまたがないので、どんな案件も6月までには収束します。しかも、人事考課は4月に決定済み。 つまり、4月~6月の税務調査の結果は担当調査官にとっては成績にならないのです。受験で言うと、内申書が出た後の3年3学期の成績みたいな。笑 であれば、このタイミングに該当する調査であれば、伸ばせば伸ばすほど、粘れば粘るほど、確実に有利な展開になります。
【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「経営者は早く終われと願うけれども・・・」
私はキャラ的に温厚で、とても国税と丁々発止と戦うイメージではありません。 ですので、お客様はビジュアル的に税務調査時は頼りなく見えるかもしれません。 しかしながら私は、税務署内部事情も精通しているので、税務調査対応は得意技としております。 しかし、経営者はやはり税務調査は非常に大きなストレスなので、有利な展開よりも、早く終わるリクエストが多いですね。泣 それでは、次回もよろしくお願いします!

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版