今週の松竹梅第619号「倒産防止共済のあるある注意点」

今週の松竹梅第619号「倒産防止共済のあるある注意点」

配信日:2025年5月19日

こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第619号を配信します。 設立後、業績が黒字化してくると節税プランの話題になります。 そんなとき、入門編の節税として加入するのが「倒産防止共済」です。 倒産防止共済は非常に簡単な仕組みなのですが、いくつか注意点があり、多くの法人で「やらかしてしまって」います。 今回は、倒産防止共済の「やらかし事例」をまとめました。

【今週の松】 【今週の松】「掛け金に関する別表の添付もれ」

これは、倒産防止共済やらかし事例の定番中の定番です。
税法条文には、「明細書の添付がない場合には適用しない」と明確に記載があります。
具体的には別表10(7)ですが、経営者のほとんどは申告書別表を知らないので、現実的には申告書作成を担当した税理士事務所の責任といえますね。
税務署側は、別表添付もれを厳格にチェックしているわけではなく、「たまに」否認指摘を受けた事例を聞きます。
とすると、申告書提出後に気がついた場合に、どう対応するか困った事例をしばしば聞きます。私なら後出ししないで様子見ですね。

【今週の竹】 【今週の竹】「年払い手続きは毎年必要!」

倒産防止共済は、積立目的ではなく節税目的での新規加入がほとんどです。 よって、加入のタイミングは期末に近く年払いの240万円スタートが多いです。 生命保険や小規模企業共済ならば、年払いは契約なので翌年も当然に年払いになります。ところが、倒産防止共済の年払いは、その都度申し込みが必要です。 加入法人には、その旨の意思確認の郵便が届いてますが、経営者は往々にしてスルーします。税理士事務所側には連絡がありませんので、結果的に2年目から月払いに変更されてしまうケースが多いようです。

【今週の梅】 【今週の梅】「解約後の再契約は2年しばり」

倒産防止共済を解約して手当金を受け取った直後に、再加入して損金算入する法人が増えています。 そこで2024年度税制改正で、解約後に再加入する場合は、解約後2年間に支払った掛け金については損金算入できないことになりました。 このルールは、2024年10月1日以降に解約した場合に適用されます。

【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「ChatGPTに同意を求める質問をしてはいけない」

ChatGPTの話題です。日を追うごとにヘビーユーザーとなっております。 ChatGPTは万能のようですが、分野によっては思いっきり間違うので質問に気をつけなければいけません。私が弱い分野は英語とITですので、 ここは非常に助かります。逆に税務や法務、労務など法律分野は派手に間違えるので気をつけてます。 全般的に気をつけるべきは、ChatGPTは質問者に寄り添う回答を行うよう設計されているので、同意を求めるような質問をすると間違えやすいようです。 結論として、ChatGPTは質問力を試されていると考えてください。

松本直樹

【松本直樹のプロフィール】

1960年
石川県金沢市生まれ
1984年
金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
1984年
太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
1992年
証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
1992年
太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
1995年
宅建主任者試験合格
1996年
税理士試験会計2科目合格
1997年
税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
1999年
松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
2006年
株式会社ケーエムエスを設立
2014年
総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
2016年
合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
2018年
経営革新等支援機関認定
2023年
「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版