今週の松竹梅第620号「外国の遺言書作成率を考える」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年5月26日
こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第620号を配信します。 インスタやyoutubeを、趣味的投稿や広告宣伝の手段としてでなく、収入源としている方も増えてきています。先日お客様からメタ社(インスタ運営会社)から国際郵便が届いて、内容見ても意味や意図がわからない、どうしたら良いのか?と相談がありました。 調べたところ、メタ社が外国居住者に対して、いくら払ったのかをアメリカ国税当局に通知したとの報告書でした。 つまり支払調書のようなものですので、メタ社やアメリカ国税当局に何か報告するわけではありません。ある日こんな郵便が届いたら驚きますよね。
【今週の松】 【今週の松】「少ない日本の遺言件数」
私のメルマガでは何度か取り上げていますが、今回は日本の遺言件数についてです。
統計によると、2024年に日本国内の死亡者数は1,618,684人で、過去最多でした。対して公正証書遺言作成件数は128,378件。
亡くなった方が遺言書を書いていたかの統計ではありませんが、それでも、7.9%は少なすぎるとの印象です。ということは、日本では、亡くなった方の自宅などの財産分割だけでなく、未払い医療費やいろいろな手続きなどを残った家族が「話し合って」やることになります。
果たして話し合って決められるのでしょうか?
【今週の竹】 【今週の竹】「米国や英国は過半数の人が遺言書を作成」
正確な統計ではありませんが、米国や英国では過半数の方が遺言書を作成しているとのことです。米国の場合は、相続発生の際に遺言書がないと、非常に煩雑となり、その費用負担が大きいため生前の対策が重要とされています。 20代でも20%の人が遺言書を作成していると言われています。 お金や財産に対する意識が日本とは違うのですね。
【今週の梅】 【今週の梅】「ドイツやフランスの遺言書作成率は?」
ドイツは20~30%、フランスは15~20%と言われており、アメリカやイギリスほど高くありません。両国とも法定相続人の権利が強いため、遺言書がなくても構わない、または、遺言書でも自由に分割できないとの事情があります。 遺言書の自由度が高く、遺留分など相続発生後のトラブルがあり得る日本で10%未満の作成率は、極端に低いと言えます。
【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「遺言書を家族へのメッセージと考える」
相続関係業務をやっていると、遺言書があったらこんなことにならなかったのに、と思うことがしばしばあります。私は経営者の皆さんに、「早く遺言書に着手してください」と言うことがありますが、 残念ながら取り組む方は稀です。 自分が持つ自社株や不動産をどうするかは難問ですが、その分割は大きなメッセージです。 理由とともに文書として残しておくことを強くおすすめします。 それでは、次回もよろしくお願いします!

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版