今週の松竹梅第644号「ファンドラップ口座の問題点(前編)」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年11月17日
こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第644号を配信します。 私のメルマガでは、投資運用に関する話題も多く取り上げてきました。 日本人は外国人に比べて投資運用スキルが弱く、現金や普通預金で、多額の資産を長年保管することに抵抗がありません。 「節税」には興味津々ですけど。 今回と次回は「ファンドラップ」を取り上げます。ただし注意喚起としてです。
【今週の松】 【今週の松】「ファンドラップ口座とは?」
ファンドラップとは、ざっくり言うと、資産運用したいけど、「何を買ったら良いかわからない」方が、証券会社や銀行と契約して「おまかせ運用」してもらう口座です。規模としては、口座数でおよそ180万件、残高で21兆円とかなりの規模です。
実際は、投資信託を組み合わせての運用で、おまかせ運用に対する手数料が毎年1%前後、運用している投資信託の信託報酬が別途かかります。
【今週の竹】 【今週の竹】「手数料が毎年計上されている?」
このメルマガでは、これまでに何度か米国株S&P500連動の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500」を紹介してきました。(自分でも毎月10万円積立しています) ちなみに、楽天証券では投資信託の購入手数料は無料です。 ところが、ファンドラップ口座では、残高に対して毎年1%前後の運用手数料がかかります。例えば、現役引退した経営者が、1億円運用したいけど、何を購入して良いかわからないからまかせる! と言って、ファンドラップ口座で運用すると、毎年100万円前後手数料が余計にかかります。10年運用すると1000万円です。
【今週の梅】 【今週の梅】「おまかせ運用は成績は良いのか?」
ファンドラップ口座の手数料は、金融機関側からは安定収入なので、各社積極的に営業しています。ここ数年は投資運用成績はどのファンドも良かったはずです。私は運用初心者は、テーマを絞ったファンドはリスクが高いので指数連動型のインデックス投資信託を強くおすすめしています。 しかし、ファンドラップ口座では、テーマ性の濃いファンドを複数組み合わせた運用が見受けられます。ファンドの名前も長く、口座所有者が残高報告書を見ても、「何がなんだかわからない」「でもあの会社にまかせているから大丈夫でしょ」残高報告書を見て利回り計算して、その利回りがインデックスファンドより高ければ良いのですが、おそらくそうなっていない口座が多いと感じています。
【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「ファンドトラップ?」
私は、ファンドラップなる金融商品用語が出回り始めた頃、読み間違えて、ファンドトラップ?と思いました。笑 でも、状況を知るにつれて、確かにファンドトラップだ!と考えています。 手数料が高くても、運用がプラスなら、お客様は安心しておまかせしているのでしょう。 ところが、ある状況になると、ファンドラップは大変な事態を引き起こします。 運用利回りや手数料が云々ではありません。 私は、高齢者は、「ファンドラップは絶対契約してはいけない」と考えています。 その理由を次回説明します。 それでは、次回もよろしくお願いします!

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版