今週の松竹梅648号「相続税対策で超えてはいけない一線とは?」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年12月15日
こんにちは 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第648号を配信します。 相続税対策で大きな効果があるものと言えば、投資不動産や非上場株価などの評価を下げる方法です。 しかし、やりすぎると対策そのものが否認されます。 今回は、相続税対策の超えてはいけない一線がどこにあるのかを税法条文から検証しましょう。 いつもより難しいテーマですが、重要な原理原則です。
【今週の松】 【今週の松】「相続税法22条が柱!」
相続税は、財産評価が柱ですが、その大原則は22条で実に簡潔に書かれています。
「相続により取得した財産の価額は、その取得の時における時価による」
なんと、皆さんが知っている路線価評価や類似業種株価などは、財産評価通達によるもので、「22条の時価」を簡便に計算するための「みなし時価」にすぎません。
つまり、原則は時価ですが、皆さん時価ってわかりませんよね。
だから通達ルールで計算したものを時価としても構わないよ!とお許しいただいていることになります。
【今週の竹】 【今週の竹】「通達の総則6項を理解する」
財産評価通達では、ことこまかに相続財産をどう評価するのか、計算方法を示しています。ところが、総則第6項では衝撃のルールがあります。 「評価通達によることが著しく不適当な場合には、個別に時価を認定することができる」 この「著しく不適当な場合」が近年増加してきた「やりすぎ否認」の法的根拠です。 否認事例をまとめると、「経済合理性がない」「事業目的とは認められない」「相続税対策以外の理由が見当たらない」などが判決理由になっています。
【今週の梅】 【今週の梅】「否認されない対策とは?」
相続税対策が否認された事例は、金額が大きいので税額ばかり前面に出てしまいます。 しかし、ほぼ否認理由は上記のように、経済合理性や事業性の存在です。 であれば、早くから本人が何のために対策を実行するのか 明確に説明できるようにしておけば否認されることはありません。 個人的には、評価通達による投資不動産や非上場株価を使った相続税対策は有効だと考えています。ただし慌てて立案実行してはアウトです。 時間をかけてメンテナンスしながら実行すべきテーマです。
【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「時価とは何か?を再度考える」
今回は私のメルマガでは珍しく、安易で危険な相続税対策リスクを税法からのアプローチで解説しました。 複雑な税法ルールですが、大原則はシンプルです。 今回のメルマガを理解できれば、近年の度重なる不動産関連の税制改正の流れがスッと理解できると考えます。

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版