隣人との境界線20cmの攻防。宅地建物取引士粘りの秘策「筆界特定制度」でご近所関係もうまく線引きしたお話(2)
相続不動産処分のお話

隣家との境界線争いが引き起こした相続トラブルの解決劇
土地の境界線問題が引き金で発生した相続トラブル。筆界特定制度を使って隣家との調整を成功させた実話です。
相続において、土地の境界線を巡る問題は非常に厄介です。このマンガでは、隣家との境界線が原因で発生した複雑な相続トラブルを描きます。自宅の土地が隣家に侵入していることが発覚した浦田さん。問題を放置すると、将来の土地売却が困難になる恐れがありました。相続税の負担も懸念されたため、浦田さんは「筆界特定制度」を利用して境界線の確定に挑みます。この制度を使うことで、隣家との協議の末、適切な金額で越境部分を買い取ることができました。このストーリーを通じて、相続に関する境界線問題や筆界特定制度の実際の運用方法がわかりやすく描かれています。土地に関する相続問題に直面している方や、相続税対策を考えている方にとって、非常に有益な情報が得られるでしょう。マンガを読んで、相続問題を未然に防ぐための対策や、問題が発生した際の解決策を学び、家族や財産を守るための準備を進めてみてください。
- 監修者:斉藤 博美(公認不動産コンサルティングマスター・ファイナンシャルプランナー)
筆界特定制度とは
土地の境界問題は、制度も複雑ですがそこに感情が絡みやすく、隣人トラブルに発展することがあります。
今回ご紹介した事例も、これまでのご近所関係は悪くありませんでした。これまでずっと、公式の境界を越えて隣の土地を使用していたことを指摘され、それを認めたくないという心理が働くことで感情的になってしまったのです。
円満で公平な解決には、適切な専門知識とコミュニケーションによる感情のコントロールが重要です。感情ではなく、法律やルールに基づいて冷静に話し合うことが解決への近道で、我々専門家は、トラブルに発展しないように法律・制度と感情の両面を考えていきます。
エピソードの中にあった筆界特定制度は、土地の所有者等の申請により、筆界特定登記官が、その土地に隣接している民有地または公有地との筆界がどこかを特定する制度です。新たに筆界を決めるものではなく、もともとの筆界を調査の上、明らかにする制度です。このマンガの事例で言えば、佐川さんが承諾しなくても、筆界を特定できるということです。これにより、もともとの筆境がはっきりするので、トラブルが早期に解決することにつながります。
ただ、トラブルが表面化するのは、土地家屋調査士に測量を依頼し、測量作業の後半に境界線を確認し合うタイミングで認識の相違が出ることが多く、そこから筆界特定制度の申請となると、費用や期間が倍増します。ただし、裁判で争う「境界確定訴訟」より解決は早いと思われます。
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