今週の松竹梅第617号「令和7年度改正で登場!160万円の壁とは?」

ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

今週の松竹梅第617号「令和7年度改正で登場!160万円の壁とは?」

配信日:2025年4月28日

こんにちは。 松本事務所メルマガ「今週の松竹梅」第617号を配信します。 長らく税制上のキーワードだった「103万円の壁」。 これは、給与収入103万円を超えると、配偶者控除対象外になるとのルールから広く知られるようになった言葉です。 しかし、令和7年度の税制改正ではこの「壁」が見直され、基礎控除と給与所得控除の最低額がともに10万円引き上げられることで、「160万円の壁」が新たに誕生しました。

【今週の松】 【今週の松】「改正の具体的内容」

では、改正の具体的内容です。
基礎控除が48万円から58万円と10万円アップ、給与所得控除の最低額が55万円から65万円と10万円アップ、与党の改正案は、ここで打ち止めでしたので、一時は「123万円の壁」でした。
ここから壁を巡って政治問題になり、なんとか決着がついたところが「基礎控除の上乗せ特例」です。

【今週の竹】 【今週の竹】「基礎控除の上乗せ特例」

具体的には、合計所得132万円以下なら、なんと基礎控除37万円追加(95万円)、ここは恒久措置です。 あと、132万円超336万円以下は30万円追加、336万円超489万円以下は10万円追加、489万円超655万円以下は5万円追加となりました。 ただし、132万円超の3段階は2年間限定です。 132万円超の「2年間限定」が残念ですね。

【今週の梅】 【今週の梅】「配偶者控除、扶養控除も見直し」

令和7年度改正では、配偶者控除と扶養控除の対象者要件も見直しが入りました。 具体的には、合計所得金額48万円から58万円へ引き上げられました。 これにより、給与収入160万円ならば、配偶者控除や扶養控除の対象になります。 また、前回までの「1000万円の壁」や「2500万円の壁」については従来通りです。

【松ちゃんの独り言】 【松ちゃんの独り言】「社会保険の壁は議論されていない?」

今回なぜか税制面のみで政治問題化してしまい、「160万円の壁」の内側の当事者は、複雑な思いもあるかもしれません。 つまり、社会保険加入の壁については、なぜか完全スルーでした。 パート現場では、「103万円の壁」より、社会保険加入義務が発生する「130万円の壁」の方が大きなインパクトと言われているのに・・・ それでは、次回もよろしくお願いします!

松本直樹

【松本直樹のプロフィール】

1960年
石川県金沢市生まれ
1984年
金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
1984年
太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
1992年
証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
1992年
太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
1995年
宅建主任者試験合格
1996年
税理士試験会計2科目合格
1997年
税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
1999年
松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
2006年
株式会社ケーエムエスを設立
2014年
総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
2016年
合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
2018年
経営革新等支援機関認定
2023年
「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版