今週の松竹梅第602号「ビットコインで投資税制を理解する②」
ビジネスに役立つ!税務最新情報【今週の松竹梅】

配信日:2025年1月14日
先週からビットコイン税制を通じて投資税制の全容を、理解いただければと考えています。昨年のビットコイン急騰の大きな要因がビットコインETFでした。ETFとは上場投資信託のことで、ザックリ言うと、ビットコインをファンドとして購入することになります。日本ではまだ認可されてません。
【今週の松】 「ビットコインETFの規模と税制」
現時点の日本ではビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は、ビットフライヤーやコインチェックなどの暗号資産専門取引所でしか原則として売買できません。楽天証券など証券会社ではビットコインを扱っていません。しかし、ビットコインを組み入れたETF(上場投資信託)を2024年1月に米国が承認したことで、一気に状況が変わります。わずか1年間で、米国のビットコインETFには360億ドルの資金が流入して、世界全体でのビットコインETFの純資産は1100億ドルです。なお、日本ではビットコインETFは認可されていませんので、証券会社はもちろん、暗号通貨取引所でも購入できません。
【今週の竹】 「ビットコインETFの売却益は分離課税?」
ビットコイン税制では、売却益については雑所得扱いの総合課税のため最高55%です。ところが、日本人が海外市場で購入したビットコインETFについては、申告分離課税(20%)で構わないとの正式回答が国税庁から出ています。理由は、ビットコインは「有価証券ではない」が、ビットコインETFは「有価証券である」からです。一方、日本の国会では石破総理がビットコインETFの承認とビットコインの申告分離摘要の両方とも「消極的」とのことです。
【今週の梅】 「ビットコイン税制の今後の展開は?」
トランプ米国次期大統領は、「米国を暗号通貨の世界の中心地にする」と宣言しており、規制緩和に積極的な姿勢とのことです。とすると、今後の展開次第では、日本国内のビットコインETF認可と同時にビットコインそのものも、有価証券扱いとして雑所得総合55%から、申告分離20%になるタイミングは近いのかもしれません。一方、国税庁もビットコインをかなり注視しています。個人の富裕層と海外取引については、ここ数年の税務調査における重点項目でしたが、ビットコインを絡めての動向について次回解説します。
【松ちゃんの独り言】 「はたらく細胞」
先月から記録的な大ヒットを続けている映画「はたらく細胞」を観てきました。この映画はマンガが原作で、やはりマンガの実写映画「テルマエロマエ」「飛んで埼玉」の武内英樹監督作品です。まず感想ですが、やたら面白い!の一言です。聞いたことがある細胞が擬人化されており、善玉細胞が悪玉細胞と死闘を演じます(笑)。女子大学生の体内が主な舞台ですが、不摂生な父親の体内がひどい有様です。役名がなく、アクションシーンで「赤血球!」「白血球さん!」と叫ぶのがとてもシュールです。この映画を観た後の不摂生は控えようと思いました。
それでは、次回もよろしくお願いします!

【松本直樹のプロフィール】
- 1960年
- 石川県金沢市生まれ
- 1984年
- 金沢大学法文学部経済学科を5年で卒業(ドイツ語で1年間落第する)
- 1984年
- 太平洋証券(今の三菱UFJモルガンスタンレー証券)にて、主に債券トレーダー、デリバティブ業務に従事
- 1992年
- 証券アナリスト2次試験合格(会費未納で、アナリスト協会は退会)
- 1992年
- 太平洋証券退職後、税理士事務所へ転職
- 1995年
- 宅建主任者試験合格
- 1996年
- 税理士試験会計2科目合格
- 1997年
- 税理士試験税法3科目合格(税理士試験終了)→ちなみに法人税、所得税、消費税です
- 1999年
- 松本直樹税理士事務所として独立開業→税理士事務所の同僚(松本清美)と結婚ダブル寿退職
- 2006年
- 株式会社ケーエムエスを設立
- 2014年
- 総合コンサルチーム「みんなで顧問」結成
- 2016年
- 合同会社「みんなで顧問」設立(代表社員就任)
- 2018年
- 経営革新等支援機関認定
- 2023年
- 「マンガでコミュニケーション みんなの相続」出版